当社代表桑原によるコラム「遊自耕」は、隔月発行の建築情報誌「飛翔」誌上にて連載しています。飛翔の送付をご希望の方は、飛翔送付申込フォームよりお申込下さい。(送付無料)

遊自耕104号

減産社会に生きるための実験

国家は役に立たない

イタリアでG8サミットがありました。残念ながら、世界同時不況克服のための方針は、何一つ提起されません。首脳たちは、金融資本主義と決別する意志など持ち合わせず、ただ無駄話をしていただけのようです。

わが国では間もなく自民党政権が終わり、民主党を中心とした政権に移ります。でも、政権が変わったからといって、官僚体制がそう簡単に変わるわけではありません。

建築基準法の再改正を要請するため、先日ある国会議員に会いました。「桑原さん、国会議員に法律はできないのですよ。法律は、結局は官僚が作っているんで、民主党になったところで本質は変わりません……」

そもそも、経済や景気が急に良くなる要因がなく、税金が集まらない時代に、豊かで安定した年金制度などできるわけがないのです。

失業と低賃金の減産社会がやって来ています。国家に期待などできません。寝とぼけた夢をさまし、自立して質素に生きるしかないのです。

乗車賃を安くする

わが社の本社は岐阜市ですが、私の自宅は静岡県焼津市にあります。ときどきは自宅に帰るのですが、自宅から本社へ向かうときは、当然新幹線を利用していました。

6月22日、焼津駅を午前6時6分に出発する普通列車に乗車してみました。豊橋駅で乗り換えて、9時18分に岐阜駅に着きました。

焼津−岐阜の乗車賃は、新幹線だと6,210円、在来線では3,570円。時間は約1時間20分余分にかかりますが、乗車賃は2,640円安くなりました。

7月6日、こんどは焼津から東京まで在来線に乗りました。新幹線では5,670円のところですが、3,260円でした。
7月10日は、ウィークリー翔宇都宮ホステルに行くために、上野を7時17分発の東北本線に乗り、宇都宮に着いたのは8時58分。新幹線だと4,090円必要ですが、1,890円で済みました。帰りも在来線を使いました。

少々時間はかかりますが、乗車賃はとても安くなります。乗車中は書き物をしていることが多く、長時間の旅も気にはなりません。

宿泊費用も安くする

東京で宿泊する場合、私はこれまで、東京事務所の近くの「京王プレッソイン大手町」というビジネスホテルに7,500円出して泊まっていましたが、ある人の紹介で、6月からは南千住の「ホテル丸忠CLASSICO」を利用しはじめました。

1泊3,500円。部屋は小さくてユニットバスはありませんが、共用の洗面所、WC、浴室などはとても清潔で快適です。8月1日からは、30泊88,000円(1泊当たり2,933円)で社員が泊まれる契約を結びました。

南千住駅まで徒歩7分ですが、ホテルから2分くらいのバス停からバスに乗れば、東京事務所至近のバス停まで、すいた道なら25分。たいていは座席に座れるし、宿泊費はほぼ2分の1になって、とてもハッピーです。

生活費も安く安く!

私は基本的に単身生活で、岐阜羽島駅近くの社有マンションで寝起きしています。もちろんタダです。

近頃は、エコ対策に励み、風呂に入らずシャワーで済ませたり、エアコンを使わないようにしたりしています。

食材を買ってきて自分で煮炊きしていますので、食費は多くても1日1,000円。衣服だって、数年前までは「ユニクロ」ファンでしたが、今はもっと大胆に安い「赤のれん」、身の回りの小物は100円ショップです。

減産社会の自己防衛

企業も、物やサービスを安くしなければ成りたちません。いくら良いものでも高くては売れません。そのために、今までの雇用関係は見直され、社員縮小や賃金引下げはますます拡大していくでしょう。

こんな世の中では、物を欲しがらない。貨幣を追い求めない。こんな努力が地球を救い、未来を開くことになります。物や貨幣を追い求めることは、自分をも苦しめます。

よく考えて、新しい働き方や暮らし方を求めていくしかありません。

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